気密がないと省エネは語れない?

省エネルギー住宅。
高性能住宅。
最近、よく耳にする言葉です。

でも、その前提として、あまり語られない大切なことがあります。
それが、今回までお話してきた、気密です。

暖房すると、何が起きているか

暖房すると、何が起きているか
暖房をつけると、室内の温度は上がります。
すると、空気は軽くなり、上へ上がります。
同時に、部屋の中の圧力も上がります。
圧力が上がると、空気は外へ逃げようとします。

ここで、風船をふくらませたときのことを思い出してみてください。
風船の中の空気が増えると、風船はパンパンにふくらみ、圧力が上がり、中の空気は外へ出ようとします。
そして、小さな穴があれば、そこから空気は勢いよく「シュー」と外へ逃げていきます。

家の中でも、実は同じようなことが起きています。
暖房で空気が暖められると、家の中の空気は外へ出ようとします。
そして、家にすき間があれば、そのすき間から暖かい空気が外へ逃げていってしまいます。

つまり、暖房をするということは、家の中の空気を外へ押し出している状態でもあるのです。

熱が逃げる家は、エネルギーを使い続ける

熱が逃げる。
これは、省エネルギーの真逆の状態です。
いくら性能の良い断熱材を入れても、すき間だらけの家では、その性能を発揮できません。

・暖房をつけても効かない
・設定温度を上げる
・エネルギーを使い続ける

この悪循環から抜け出すために、まず必要なのが気密です。

気密は「見えないけれど、効いてくる」

気密は、完成後に目で見えるものではありません。
でも、住み始めてから確実に差が出ます。

・暖かさの持続
・光熱費
・室内の温度ムラ

こうした部分に、じわじわと効いてきます。
だからこそ私たちは、省エネ住宅を考えるなら、最初に気密を整えるべきだと考えています。

しかし、ここで一つ大切なことがあります。
それは、高気密だけを追い求めれば良い、というわけではないということです。
暖かさを守るためにはとても重要ですが、同時に、空気が自然には入れ替わらない家になるということでもあります。
次回は、「気密を高めすぎるとどうなるのか?」について、お話ししたいと思います。

この記事を書いた人

日沼工務店会長
日沼 友明

長年、家づくりの現場に携わりながら「本当にいい家とは何か」を追い続けてきました。
家族が安心し、快適に住めること。それが一番大切だと考えています。
コラムでは、家づくりの考え方や住まいに関するちょっとしたヒントなどをできるだけわかりやすくお届けしていきます。

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